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KiSコラム

記事公開日

ICD10からICD11変更?ICD11の特徴・変更内容・疾病登録をわかりやすく解説

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1.疾病管理がICD10からICD11に変わります。
  (厚労省では令和9年1月1日施行予定)
  https://www.mhlw.go.jp/stf/toukei/goriyou/sippei.html

2.変更点と特徴:
 1)コード体系の刷新
  従来の「英字1文字+数字」から、第1桁に「章番号(数字または英字)」を含む
  「4文字(例:1B11)」を基本とする「ステムコード」体系へ全面的に刷新

 2)疾病分類が大きく変更:
  新設章:「睡眠・覚醒障害」や「免疫系の疾患」などが独立した章として新たに整備
  伝統医学(Traditional Medicine)の概念に基づく疾病や「証」が、独立した章(第26章)として
  初めて国際分類に採用(WHOの公式カテゴリ名は「Traditional Medicine」)
  精神障害の章から「性別不合(トランスジェンダー)」などが独立し、性の健康に関する新しい章に移行

 3)コーディングの変更:「*ポストコーディネーション」
  ICD-11コード(ステムコード)+エクステンションコード
  複数のコードを組み合わせて1つの「クラスター」を形成することで、単一コードでは表現しきれない
  詳細な病態を柔軟に表現可能
  【主病名】/【随伴する病名】&【部位情報】&【重症度】

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ICD-11とは

ICD-11(International Classification of Diseases, 11th Revision)とは、
世界保健機関(WHO)が作成した病気、怪我、死因の世界共通の分類基準です。
医療統計の国際比較や、カルテの記載、社会保障の基準として世界中で使われており、
約30年ぶりの大改訂として2019年に採択され、2022年1月に正式発効しました。

現在、日本ではこれまでの「ICD-10」から「ICD-11」への移行に向け、厚生労働省
各医学会による翻訳・システム改修などの国内適用作業が進められています。

日本においても、診療録(カルテ)管理、診療報酬、医療統計、研究など、
医療のあらゆる場面で欠かせない基盤となっています。


💡 ICD-11の主な特徴と変更点

従来のICD-10から、最新の医学的知見の反映やデジタル化(Webベースでの運用)に伴い、
章の構成やコード体系が大幅にアップデートされました。

  • 章の増加と新設
         o 分類が全26章に増え、基本となるカテゴリ数も約14,000から約17,000へと拡大しました。
            さらに、エクステンションコードと組み合わせることで、部位・重症度・原因などを柔軟に付加した、
            きめ細かなコード表現が可能となっています(単純な「コード総数」ではなく、組み合わせによる表現力の拡大が特徴です)。

         o「睡眠・覚醒障害」「免疫系の疾患」などが独立した章になったほか、漢方などを含む
          「伝統医学(Traditional Medicine)」の章が新設されました。WHOの公式分類上も
          「Traditional Medicine」というカテゴリ名で採用されており、国際分類として初めて
          東洋医学的な「証」の概念が組み込まれた点が大きな特徴です。
  • 「ゲーム障害(Gaming disorder)」の新設
        o  日常生活に支障が出るほどゲームに没頭してしまう状態が、依存症(嗜癖行動による障害)
           の一種として新たに疾患認定されました。

  • 「性別不合」への変更と分類移行

        o 従来の「性同一性障害」という名称が「性別不合」へと改められました。
        o 「精神疾患」の章から除外され、新設された「性の健康に関連する状態」の章に移行しています。
  
  • コード体系の刷新

       o 従来の「英字1文字+数字」という構造から一新され、第1桁に章番号を含む
        「4文字(例:1B11)」を基本とする「ステムコード」体系へと変更されました。
        単純な桁数の追加ではなく、コード構造自体が刷新されている点がポイントです。
  • ポストコーディネーション(後コーディネーション)の仕組み導入

       o 複数のコードを「/」や「&」で連結し、1つの詳細な病態
        (原因、部位、重症度など)を柔軟に表現できる
       
       o ICD11コード(ステムコード)+ エクステンションコード

  1. 「/」(スラッシュ)の役割:ステムコード同士の接続
     
「/」は、単独で病名として成立する 基本コード(ステムコード)同士を結合するときに使います。
        2つの異なる病態が密接に関連している(例:ある病気が原因で別の病気が引き起こされているなど)ことを示します。

         接続の対象:ステムコード + ステムコード

         主な意味合い:「〜による」 「〜を伴う」

         具体例: 1B11/7B21 (1B11:[1型糖尿病] / 7B21:[糖尿病性網膜症])
                 このように繋ぐことで、「1型糖尿病による糖尿病性網膜症」という1つの
                 クラスター(コードの塊)を形成します。

 2. 「&」(アンパサンド)の役割:エクステンションコードの付加
      「&」は、主たる病名に対して、部位・左右・重症度などの「詳細な補足情報(エクステンションコード)」を
        付け足すときに使います。エクステンションコード(頭文字が必ず「X」で始まるコード)は
        単独では病名として使えないため、「&」で主病名に吸着させます。

        接続の対象:ステムコード + エクステンションコード

        主な意味合い :「(部位が)〜にある」「(側性が)〜側」「(重症度が)〜度」

        具体例:1B11 & XK9J (1B11:[1型糖尿病] & XK9J :[左側])
            病名に対して「左側の」という修飾情報をドッキングさせるイメージです。

 3. クラスター(コードの塊)という考え方
      「/」や「&」で結合されたコード群は、全体として1つの「クラスター」を形成し、
        1件の病態を表す単位として扱われます。ICD-10が1つのコードで1つの病名を表していたのに対し、
        ICD-11では複数コードの組み合わせ=クラスター単位で病態を記述するため、
        より実際の臨床像に近い、詳細で柔軟な記録が可能になります。
    


これにより、国や医療機関が異なっても、
同じ基準で疾病データを扱うことが可能になります。


ICD-11が利用される主な場面

1. 診療録(カルテ)管理

診断名をICD-11コードで記録することで、
病名のばらつきを防ぎ、より詳細かつ正確な情報管理が可能になります。


2. 診療報酬・DPC制度

DPC(診断群分類別包括評価)制度においても、
将来的にICD-11への対応が求められる見込みであり、
移行に向けたシステム改修や運用ルールの確認が必要です。

コーディングの正確性は、
病院経営や診療報酬に直接影響します。


3. 医療統計・研究

国の医療統計や疫学研究では、
ICD-11が国際的な共通基準として今後活用されていきます。

これにより、

  • 疾病動向の把握

  • 医療政策の立案

  • 国際比較

が、より精緻に可能になります。


ICD-10との違い

現在、ICD-10の後継として ICD-11 が公開されていますが、
日本の医療現場ではICD-10が引き続き主に使用されています。
ICD-10は「アルファベット+数字」によるコード体系(例:E11=2型糖尿病、I10=高血圧症)で、
約14,000以上の疾患コードを疾患の系統別に章立てして管理する仕組みでした。

主な違い(概要)

項目 ICD-10 ICD-11
公開 1990年代 2019年
デジタル対応 限定的 高度対応
コード構造 英字1文字+数字 4文字のステムコード+エクステンションコード
基本カテゴリ数 約14,000 約17,000(エクステンションコードとの組み合わせで柔軟に拡張可能)

今後、日本でも段階的な移行が検討されています。


ICD-11の運用で重要なポイント

ICD-11を正しく活用するためには、
単にコードを当てはめるだけでなく、以下が重要です。

  • 医学的根拠に基づくコーディング

  • 診療録の記載内容との整合性

  • 最新ルール・通知への対応

  • 医師・事務・診療情報管理士の連携

特に、診療情報管理士の専門性が求められる分野です。


ICD-11に関わる職種

ICD-11は、以下の職種が日常的に扱います。

  • 診療情報管理士

  • 医療事務

  • 医師

  • 看護師

  • 医療情報システム担当者

医療DXが進む中で、
ICD-11を正しく理解できる人材の重要性は高まっています。


よくある質問(FAQ)

Q1. ICD-11は誰が決めているのですか?

世界保健機関(WHO)が策定しています。

Q2. ICD-11は日本独自のものですか?

いいえ。国際的に統一された疾病分類で、
世界各国で使用されています。

Q3. 日本ではいつから使われますか?

厚生労働省では令和9年(2027年)1月1日の施行を予定しており、それまでに翻訳や関連システムの整備、
各医療機関での運用ルールの確認などが段階的に進められる見込みです。
正式な施行時期については、厚生労働省の発表を随時ご確認ください。


まとめ

ICD-11への移行は、
単なる疾病分類の変更ではなく、医療情報の標準化やデジタル化を推進する大きな転換点です。
コード体系そのものが刷新されるため、電子カルテやレセプトコンピュータなど
既存の診療情報システムの改修が必要となるほか、コーディング担当者の知識のアップデートや
院内マニュアル・運用フローの見直しも求められます。
医療機関では、正確なコーディングやシステム対応を早期に進めることで、
診療情報の質の向上や医療DXの推進につながることが期待されています。


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