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意識レベル評価とは?JCS と GCS の違いを分かりやすく解説

救急医療や病棟看護の現場では、患者の状態を短時間で正確に把握することが求められます。その中でも「意識レベル評価」は、病状の重症度判断や治療方針決定に直結する重要な指標です。日本では JCS(Japan Coma Scale)、国際的には GCS(Glasgow Coma Scale) が広く使用されています。本記事では、意識レベル評価の基本から、JCS・GCSそれぞれの数値の意味と違いを具体的に解説します。
意識レベル評価とは?
意識レベル評価は、患者の中枢神経機能を客観的に把握するための指標であり、救急医療・病棟・集中治療のあらゆる場面で使用されます。日本では JCS(Japan Coma Scale)、国際的には GCS(Glasgow Coma Scale) が標準的に用いられています。
Japan Coma Scale(JCS)の数値と定義
JCSは 0・1桁・2桁・3桁の4段階構造で、刺激に対する覚醒反応の有無を基準に評価します。
JCSの具体的分類
| JCS | 状態の定義 |
|---|---|
| 0 | 意識清明(覚醒しており、見当識障害なし) |
| 1 | なんとなくおかしいが、刺激なしで覚醒 |
| 2 | 見当識障害あり(日時・場所・人が不明確) |
| 3 | 自分の名前・生年月日が言えない |
| 10 | 普通の呼びかけで開眼する |
| 20 | 大きな声や体を揺さぶると開眼 |
| 30 | 痛み刺激でかろうじて開眼 |
| 100 | 痛み刺激で払いのけるなどの動作あり |
| 200 | 痛み刺激でわずかに四肢を動かす |
| 300 | 痛み刺激でも全く反応しない |
※ 数字が大きいほど意識障害が重度であることを示します。
Glasgow Coma Scale(GCS)の数値と定義
GCSは 開眼(E)・言語(V)・運動(M) の3要素を点数化し、合計3〜15点で評価します。
開眼反応(E:Eye opening)
| 点数 | 定義 |
|---|---|
| 4 | 自発的に開眼 |
| 3 | 呼びかけで開眼 |
| 2 | 痛み刺激で開眼 |
| 1 | 開眼なし |
言語反応(V:Verbal response)
| 点数 | 定義 |
|---|---|
| 5 | 見当識が保たれ、会話が成立 |
| 4 | 会話は成立するが見当識障害あり |
| 3 | 単語は発するが会話にならない |
| 2 | うめき声のみ |
| 1 | 発語なし |
運動反応(M:Motor response)
| 点数 | 定義 |
|---|---|
| 6 | 命令に従って動く |
| 5 | 痛み刺激の部位を的確に避ける |
| 4 | 痛み刺激から逃避する |
| 3 | 異常屈曲反応(除皮質姿勢) |
| 2 | 伸展反応(除脳姿勢) |
| 1 | 反応なし |
👉 GCS合計点 = E + V + M(3〜15点)
👉 点数が低いほど重症
JCSとGCSの数値対応(目安)
臨床現場では、JCSとGCSを相互にイメージできることが重要です。以下は一般的な対応関係の目安です。
| JCS | おおよそのGCS |
|---|---|
| 0 | 15 |
| 1〜3 | 14〜13 |
| 10 | 12〜11 |
| 20 | 10〜9 |
| 30 | 8 |
| 100 | 7〜6 |
| 200 | 5〜4 |
| 300 | 3 |
※完全な換算ではなく、臨床的な目安として用いられます。
重症度の具体的判断基準(GCS)
GCSは合計点によって重症度を分類できます。
| GCS合計 | 重症度 |
|---|---|
| 13〜15 | 軽度意識障害 |
| 9〜12 | 中等度意識障害 |
| 3〜8 | 重度意識障害(昏睡) |
特に GCS 8以下 は気道確保・人工呼吸管理を検討する重要な指標とされています。
JCSとGCSはどう使い分ける?
-
救急搬送時・病棟での迅速評価
→ JCS(数秒で評価可能) -
神経学的評価・経時変化の記録・研究データ
→ GCS(数値変化を追いやすい)
まとめ
JCSは刺激に対する覚醒反応を0〜300で評価する日本独自の意識レベルスケールであり、GCSは開眼・言語・運動反応を合計3〜15点で評価する国際標準の意識評価法である。
このように、数値の意味を正確に理解することが、安全な観察・判断につながります。
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